―しっかし、子供の脳って大したもんだねぇ。。。
目的地に向かう車中。息子のリクエストに応えて、フジテレビの音声を流していたのですが、
(走行中はテレビ画面が映らない設定なので)
現役の『ONE PIECE』はまだわかるにしても、とっくに終了している『ドラゴンボール』までも、声優さんが話す前に、一文字一句違わぬ科白を、感情込めて言ってる。。。
―いまの科白は悟空?
「ええ?クリリンだよ。わかんないの?だめだな・・・父ちゃんは」
―しかし、よく覚えてるね。
「はぁ?漫画の科白なんて、一度読めば覚えられるでしょ。覚えられない父ちゃんがおかしいんだよ」
そんなことで批判される謂れはまったくないが、ぐっと堪えて、息子独演のアニメ劇場(絵なし)を楽しみ、都幾川村の駐車場に。
組み立てている間、補佐してくれている息子に。。。
―準備運動しといて。。。。あれれ、緊張してるの???
「そりゃ、初めて峠に上るんだもん。緊張するさ!」
形勢逆転だ(笑)
―予定変更して、白石峠にしようか?
などと言ってイジメて遊ぶ。
「ねぇ。今日の峠はほんと大丈夫なの???」
まずは、セブンイレブン西平店に立ち寄り、補給食購入。
「父ちゃん、ローディーさんがいっぱいいるね」
―うん。ここは聖地のようなもんだからな。ここで補給して、みんなお山に向かうんだ。んじゃ、そろそろ出発しよう。まずは、松郷峠ね。ここは斜度もゆるいし、あっという間に終わるから心配ないよ。ギアは軽めにして、体を温めようね。

―ほら!ペダルの踏む位置は意識して!!
「はい」・・・車中と違って、素直な息子は、山っぽいねぇ〜などと言いながら元気に上っていき、あっという間に・・・到着。

「ねぇ、てっ辺の目印みたいなのはないの?」
はい。ありません。さて、ここで本日の最重要事項の伝達式。
―いいか。本日は絶対に下りで父ちゃんのことを抜かさないこと。これだけは絶対に守ること。いいね。んじゃ、下るよ。
スピード5割減で下り始めますが、、さすが石橋を叩いて、安全でも、誰かを渡らせてから渡るタイプのわが息子。慎重すぎるほど、慎重に遅れ気味で下ってきております。
やがて、平地になり。後ろから話しかけてきた。
「父ちゃん、下りのほうが怖いって、よくわかった」
―もう少しはスピード上げてもいいぞ。下りで調子に乗ってスピード出す母ちゃんよりはいいけど。2人足して、2で割るといいんだけどね。。。ところで、ブレーキのかけすぎで手が痛いだろ?
「うん。手が疲れてる」というので、見えてきた東秩父の産直場で休憩。
―ここでなんか食ってこう。
「僕、おなかすいてないよ」
―だめ!いいから食え!!自転車のときはおなかがすく前に食うこと!!
と、まったり道の本質を説くオヤジ。

おやき。

焼きだんご。
んで、再始動。
「父ちゃん、のどかだねぇ。。。里山だね」

「あ〜、来てよかったよ」
―そっか、そっか。。。
「ところで、次の峠はなんて名前なの?」
本日の峠行きの目的はこのGWに予定しているスバルラインの予行練習。
個人的にスバルラインに似てるかなぁ。。。と思っている定峰峠を目指しているわけですが、
そこまでのアプローチの起伏が、息子には結構きつめだったみたいで、
「ねぇ。そろそろ休まない?」を連発。
―大丈夫。上り始める前に休憩を考えてるから、そこまでがんばれ!あと2キロくらいかな。
んで、遅れ気味で白石車庫に姿を現しました。

ローディさんの団体がおられ・・・子供のローディの登場は多少インパクトがあったようで、なかには「あの子、見て、かっこいい」という若い女性の声があったり・・・
「お前、聞いたか?」
―え?なにが〜??
なんて澄ましてますが、目が笑ってる、鼻の下が伸びてる。。。聞いたな。ご機嫌だな(爆)
じゃ、前に進もうか。

初めは順調も・・・息子にとっては未体験の坂の長さに、徐々に遅れ始め、気がつくと傍にいなかった。なので、下って様子を見に行くと・・・(なんかSCOTTって、反則だな。。。ゆっくり漕ぐ分には、上り返しなんてまったく苦じゃないんですが…)
―大丈夫?
「うん、平気!抜いていくローディーさんがね。みんな、君、がんばって!!と声をかけていってくれるんだ」

カメラを向けると、妙に姿勢を正しちゃいますが(笑)、奮闘しております。
―おし!その調子でがんばれ!!
で、・・・・・とうちゃ〜く!!

「ここまではなんていうことはなかった」・・・・言ってくれます。
―どうする?ここから引き返す手もあるけど、下りの練習には今の道が一番いいし・・・
「進むよ。どうせだもん」
―そうか!なら食おう!
「食うって、さっき食べたばかりじゃん」
―いいの!自転車はとにかく食う。しかも、初めての峠茶屋で親父と一緒に食べた思い出つくりだ。

息子、肉うどん。父、そばがき。
「うどんの汁が疲れた体に効いて、うまい!!」んだそうです。
―あっ!言い忘れたけど、ここからは多少、斜度がきつくなるよ。
「ええ!!」
カーブごとに後ろを振り向くと、がんばっている姿が見え、オヤジうれしい。
んで、何本目かのカーブで後ろを見ると、姿が見えなく、下って様子を確認にしにいき、元気付けのギャグをかましてやると・・・
「父ちゃん!なんで笑わせんだよ!!足ついちゃったじゃん!!今まで足つきなしだったのに!ギャグ禁止ね!」とマジに怒られる。。。すみません。
んで、自分自身斜度のキツサを感じ始めると、ここのゴールはもうすぐ。
本当にキツイところは、自分の力だけでがんばって欲しいので、後ろ髪引かれながら、父ちゃんは単独ダッシュで一足先に待ってるよ。

もう少しだ、がんばれ〜〜!!そして、

―やったね!後ろ見てごらん。
「ええっ!白石峠???」
―あっ、よく言われる白石峠ってのは、そこの横の道を上ってくることね。1キロくらい下って、試してみる?父ちゃんはここで待ってるから。
「いい。やめとく。父ちゃん、帰りは同じ道を戻るの?ということは松郷峠を逆から上るの?」
定峰から白石峠の上りがちょっと堪えたみたいで、もうあんまり長くは上りたくない様子です。
う〜ん。困った。かといって白石峠の下りは体験させたくないし、
(車のすれ違いなんて、子供の腕力じゃ怖いから。。。)
―もう少しがんばれるか?いまのとこよりキツイところはないから。
「うん。いまのところくらいだったら、もう少しならがんばれる」
グリーンラインをもう少し進むことにしました。
奮闘する息子に対して、壮年のグループが口々に声援を送ってくれます。
ありがとうございます。
オヤジ、猛烈に感動、感謝の気持ちでいっぱいです。
そして、

大野峠を経由し、まさか本日ここに来れるとは・・・

(茶屋が本当になくなってることにオヤジ軽くショック)
絶景の刈場坂峠にたどり着きました。
―ほんとは青い屋根の下のベンチで横にさせてやりたかったなぁぁぁ
という思いは捨て切れないものの、1つ夢達成!なにより・・・

この笑顔をみて・・・わが子の成長を感じて、親父感動。
―連れてきてよかった!!
走行距離 43.5キロ
駐車場まで慎重に下ったあと、ご褒美は・・・

豆腐工房わたなべの豆腐ソフト。
自宅で待つ妻へのお土産に各種豆腐を買って帰宅しましたが、
「この豆腐。本当においしいね」と妻は感動。
息子は・・・
「そんなら母ちゃんも同じルートを挑戦して、買ってくれば」だって。